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Posted by さがファンブログ事務局 at 

2011年12月04日

真相(横山秀夫)

横山秀夫氏の短編集を求めて買った。

真相という本書に収録されている中でも際だってよかったのは、『花輪の海』という作品だ。

大学空手部の夏合宿での苛酷なシゴキの末の友人の水死。それから十年。仲間だったかれらが会おうということになるのだが

主人公の城田が抱える良心の呵責はよく判る。またイシヤンこと石倉の置かれた境遇。デコこと安岡の言い分も判る。簡単ではあるが、それぞれの立場でそれぞれの心情を的確に表している。

ストーリーもよく出来ている。

そしていまさらながら、横山秀夫氏の小説の良さは、実はストーリーにあるだけではなく、人物の造形、人物にたいする作者の確かな眼差しにあるというのがよく判った。
  

Posted by なみログ at 22:14