2011年12月29日
佐賀ラーメンとレディ・ジョーカー
高村薫氏のレディジョーカーは今日深夜ホテルで中巻を読了。
誤認逮捕という失態に合田刑事がどう挑むのか?半田警官を含むレディジョーカーの現金授受は成功するのかどうか?
ちょっと興奮した状態で読んでます。
全く事前情報を知らない状態で読んでいるので、どういう展開になるのか。目が話せない感じになってます。
いよいよ下巻に突入です!
写真は佐賀の豚骨ラーメンです。
博多や長浜、久留米とも違い、佐賀ラーメンというくくりのラーメンです。
東京で佐賀ラーメンはなかなか食べれないので大満足でした!
Posted by なみログ at 09:34
2011年12月25日
レディ・ジョーカー(高村薫)
遅れて読み始めたレディ・ジョーカーの上巻を読み終えた。
照柿にくらべると、読みづらいと思っていた主人公の心象描写が適度に抑えられているようで、ずいぶん読みやすくなっている。
かといって、小説の品質が落ちるのではなく、評判どおり、物語、登場人物のキャラクター、舞台装置、文体、ディテールなど、およそ小説の構成に必要なものが高いレベルで書かれている。
競馬場のシーンもよく描かれているなあと関心しきり。
年末は高村薫氏を読むことに決めた。
2011年12月21日
照柿(高村薫)
随分前から買っていた照柿。
何度も読み始めたことはあったが、話になかなか引き込まれず、読み進めるのを諦めた。
面白いという評価が多いので、間違いなく面白いのだろう。
ミステリーにしては話の筋より主人公の合田という刑事と、達夫という幼なじみの心象描写が多く、文章も手連なだけに読ませる。が、やや饒舌か。
2011年12月19日
郵便配達は二度ベルをならす(ジェームスケイン)
![]() | 郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫 77-1)著作者:ジェイムズ M.ケイン 出版社:早川書房 価 格:546 円 |
カミュの「異邦人」の下敷きにもなっているという話を教えていただき、本作を探した。町の本屋さんにはなく、ネットで買うことになった。
主人公のフランクチェンバーズ。「異邦人」のムルソーより少し身近に感じたのだが、「異邦人」を読んでから少し時が経ったからだろうか。カミュへの影響もあるかもしれないと思ったが、アラン シリトーはどうだろうか?と思った。シリトーの「土曜の夜と日曜の朝」などは、結構感じが似ていると思ったのだが。
この作品は映画でも有名なのだが、見たことがなかったので、ぐいぐいと引き込まれるように読み進めた。
女とともに女の夫を殺すという完全犯罪を企みに成功し、二人は上手いこと執行猶予で逃れることができるのだが、彼ら二人が得たものと失ったもの。結末にある突然の悲劇に読むものは一瞬にして悲しみのどん底へ突き落とされる。殺人を犯したものたちの悲劇に対してなぜ悲しんでしまうのか。「異邦人」の「ムルソー」もそうであるが、彼が犯した罪と罰。彼の置かれた環境と立場。彼が得たものと失ったもの。そういうものを一つずつ整理して考えてみる必要があると思わせる作品だった。
それから、映画はどうなんだろうかと思う。
2011年12月14日
グロテスク(桐野夏生)
意外に興味深いかもと思ったのは、チャンの境遇の話の部分だ。
中国の内陸部から広州へ出る汽車の中の話や、日本へ密航してきた部分の話は、僕があまりにも知らないだけだったかもしれないが興味深く読んだ。
チャンがユリコと出会い、殺害するに至る過程があまりにもあっけなさすぎる印象を受けたが、ユリコのあのような冷淡な態度は案外リアリティがありそうだ。
まだ読んでいる途中だが、登場人物一人一人の境遇を丁寧に読み進めようと、文庫の下巻に入ってから思った。
ストーリーだけを追ったり、ワイドショー的な関心だけで読まないようにしたい。
2011年12月11日
18番ホール (横山秀夫)
短編集『真相』に入っている『18番ホール』は、地方の小さな市長選挙に立候補した、若手の県職員の話だ。
タイトルから連想するゴルフに関するミステリーかとおもいきや、全く違う選挙にまつわる人間模様の話で、またしても横山秀夫氏の心理描写の巧みさに、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
ミステリーのオチは、あってもなくてもいいくらい、小説としては出来上がっている。仮に事件がなかったとしても、成立するだろう。もちろん事件があり、真相があるから、主人公の置かれた立場はより切実な、緊迫したものになり、人間性があらわになる。
横山氏の小説は、追い詰められた人間が、どのように振る舞うか、隠された人間性をあばきだすような意図があり、我々読者にも少なからずそういう境遇に置かれたときにどうしてしまうのかを考えさせるところがある。
2011年12月04日
真相(横山秀夫)
横山秀夫氏の短編集を求めて買った。
真相という本書に収録されている中でも際だってよかったのは、『花輪の海』という作品だ。
大学空手部の夏合宿での苛酷なシゴキの末の友人の水死。それから十年。仲間だったかれらが会おうということになるのだが
主人公の城田が抱える良心の呵責はよく判る。またイシヤンこと石倉の置かれた境遇。デコこと安岡の言い分も判る。簡単ではあるが、それぞれの立場でそれぞれの心情を的確に表している。
ストーリーもよく出来ている。
そしていまさらながら、横山秀夫氏の小説の良さは、実はストーリーにあるだけではなく、人物の造形、人物にたいする作者の確かな眼差しにあるというのがよく判った。
真相という本書に収録されている中でも際だってよかったのは、『花輪の海』という作品だ。
大学空手部の夏合宿での苛酷なシゴキの末の友人の水死。それから十年。仲間だったかれらが会おうということになるのだが
主人公の城田が抱える良心の呵責はよく判る。またイシヤンこと石倉の置かれた境遇。デコこと安岡の言い分も判る。簡単ではあるが、それぞれの立場でそれぞれの心情を的確に表している。
ストーリーもよく出来ている。
そしていまさらながら、横山秀夫氏の小説の良さは、実はストーリーにあるだけではなく、人物の造形、人物にたいする作者の確かな眼差しにあるというのがよく判った。
Posted by なみログ at 22:14