2012年01月23日
レディ・ジョーカー DVD観た。
レディ・ジョーカーのDVD を借りてきて観た。
やっぱり、そうかと思ってしまうほかないが、筋を伝えるためにどうしても、エピソードがかいつまんだ格好になってしまい、薄っぺらさが否めなかった。難しいと思うし。
何故レディジョーカーという名前であるのか?
という問いと答えはなかったなあ。
レディがモチーフと動機に少なからずなっているはずなのに、それがまるっきり触れらずじまい。
合田と半田の対決もなにか時間に迫られたように、あっけない。
あっけないのはまだ判るが、そこにいたるまでの、半田の追い詰められていく様と、合田が狂っていく様をもう少し描いて欲しかった。
吉川晃二が、素晴らしい演技をしていただけに、
やっぱり、そうかと思ってしまうほかないが、筋を伝えるためにどうしても、エピソードがかいつまんだ格好になってしまい、薄っぺらさが否めなかった。難しいと思うし。
何故レディジョーカーという名前であるのか?
という問いと答えはなかったなあ。
レディがモチーフと動機に少なからずなっているはずなのに、それがまるっきり触れらずじまい。
合田と半田の対決もなにか時間に迫られたように、あっけない。
あっけないのはまだ判るが、そこにいたるまでの、半田の追い詰められていく様と、合田が狂っていく様をもう少し描いて欲しかった。
吉川晃二が、素晴らしい演技をしていただけに、
2012年01月17日
レディ・ジョーカー(高村薫)
レディ・ジョーカー。
タイトルがいい。脅迫事件を起こす一味たちの名前だ。物語の中に、レディジョーカーに命名するモチーフがあり、読んでいる側もすごく納得することができた。
脅迫される側の日之出ビールの城山社長や刑事の合田には、なぜレディジョーカーなのかまったくわからなかっただろう。事情の分からないものには全く分からない、名前だ。しかし、命名に加わった仲間たちにとって、レディジョーカーという名前は、あとから考えてもこれしかなかったのではないかと思えるほど、かれらの立場をよく物語ってはいないだろうか。
レディジョーカーたちのやった犯罪や彼らの姿や行動が、凶悪なものとは無縁と感じるばかりか、物井の正体がいつばれないかハラハラしたり、合田からつけ狙われる半田に、肩入れしたりする気持ちが湧くのはなぜであろうか。
とくに半田。あんたが抱えているものがなんだったのか、それはたいそう重いものだったのか、それとも、実のところはそうでもなかったのか。
2012年01月12日
照柿(高村薫)
![]() | 照柿(上) (講談社文庫)著作者:高村 薫 出版社:講談社 価 格:680 円 |
さて、照柿。
ミステリと予断をもって読む始めると、ちょっと頭が混乱するかもしれない。
広義のミステリという範囲の、<広義>の部分に属する作品なのだろう、と個人的には思うことにした。
合田という刑事と、野田達夫という幼馴染の男と、二人の間に存在する女の話が全てであり、その話の合間に事件の話があるというバランスか。
タイトルの照柿。
合間合間に、なんどもその色について描写があったり、説明があったりするが、なんかしっくりと照柿というタイトルにもしたモチーフの大きさが伝わってこない。
作品のなかにあり、照柿の占める大事さというのが伝わらなかった。
※先に照柿色ありきなのかもしれないなあと思ったりした。
青い鴉。
というタイトルではダメだったのか?
達夫の人生において青い鴉の挿話は、インパクトがあるし、合田と彼の関係のすべては青い鴉の事件が、かれの所業の数々の動機の根源ではなかったか。
照柿の合田刑事は、この後所轄に転属願いを出し、レディ・ジョーカーで再び作品に戻ってきたが、照柿を読めば、レディ・ジョーカーで徐々に狂い始める彼のことが判らないではないが、マークスの山の合田刑事と、照柿の合田刑事は、あまりにも違う人物に変わってしまっているようで、その間をつなぐエピソードがないものだろうか。短編小説とかで書かれているのかな。
2012年01月10日
マークスの山(高村薫)
![]() | マークスの山(上) (講談社文庫)著作者:高村 薫 出版社:講談社 価 格:680 円 |
なみログの独読日記をご覧のみなさん。今年もよろしくお願いします!
年末年始にぼちぼちと高村薫氏の著作を読んだ。
レディ・ジョーカー
マークスの山
照柿
レディ・ジョーカーの下巻の途中で、合田雄一郎刑事(警部補)を最初から読まねばならぬな、と内心思っていたら、ほんファンブロガーさんのご助言もあったので、マークスの山を読むことにした。
マークスの山。
映画がテレビ放映されたときに見た記憶があり、映画は面白かった印象がある。
話の筋もすべて忘れていたので、新鮮に読んだ。
レディ・ジョーカーで、半田刑事から狙われることになる合田雄一郎という男。マークスの山での登場はイメージよりちょっと遅く。そして、それほど人物が掘り下げて描かれているわけではない。颯爽とした感じのある刑事像で、合田刑事だけではなく、林、吾妻、森、又三郎などの捜査一課の面々、刑事群像の中の一人として登場している。
ということで、マークスの山では合田は、とある刑事の一人であり、あくまで事件と合田の人生や業、宿命といった関わりはそんなに深くは無い。
さて、マークスの山の本題だが、マークスを名乗る連続殺人鬼の水沢は、多重人格者で、裏の人格であるマークスが水沢を操り、殺人を犯す。
話自体はよく考えられたものであるが、そもそも、マークスがかれに宿ることになった原因である、山でのMARKSたちの殺人事件との遭遇の箇所が書かれていないので、なにかはがゆい気がした。
都内から逃げてそのまま北岳の山頂で死んでいたというラスト。もう一悶着か二悶着、あってもよかったのかもしれないなあと。
一転して照柿は、合田刑事の境遇や内面を粘っこく描いていて、こちらは事件うんぬんは案外さっぱりしているのに、なぜかじっとりとしたものになっている。照柿の感想はこの次に。
2011年12月25日
レディ・ジョーカー(高村薫)
遅れて読み始めたレディ・ジョーカーの上巻を読み終えた。
照柿にくらべると、読みづらいと思っていた主人公の心象描写が適度に抑えられているようで、ずいぶん読みやすくなっている。
かといって、小説の品質が落ちるのではなく、評判どおり、物語、登場人物のキャラクター、舞台装置、文体、ディテールなど、およそ小説の構成に必要なものが高いレベルで書かれている。
競馬場のシーンもよく描かれているなあと関心しきり。
年末は高村薫氏を読むことに決めた。
2011年12月21日
照柿(高村薫)
随分前から買っていた照柿。
何度も読み始めたことはあったが、話になかなか引き込まれず、読み進めるのを諦めた。
面白いという評価が多いので、間違いなく面白いのだろう。
ミステリーにしては話の筋より主人公の合田という刑事と、達夫という幼なじみの心象描写が多く、文章も手連なだけに読ませる。が、やや饒舌か。