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Posted by さがファンブログ事務局 at 

2012年02月25日

13階段(高野和明)

13階段 (講談社文庫)

13階段 (講談社文庫)

著作者:高野 和明

出版社:講談社

価 格:680 円



47回江戸川乱歩賞受賞作品。
ずいぶん前に買っていて、どこに行ったかわからなくなっていた本書が、無造作に詰まれた本の中から見つかったので、読み始めた。

話の筋はとても面白そうだ。はてさて、どのような展開なるのか。

文庫版の解説に宮部みゆきさんが書いていて、映画の評価があまり芳しくなかったと書いてある。映画も気が向けばDVDで見てみようかと思う。

※話はそれるが、宮部みゆきさん原作の『模倣犯』の映画は??だった・・
※話はそれるが、車谷長吉さん原作の『赤目四十八瀧心中未遂』の映画も??だった・・  

Posted by なみログ at 10:14 | 文学(日本)

2012年02月20日

文学読書会in八王子高尾

なみログの独読日記をご覧の皆さま、こんにちは。

昨日は、八王子高尾駅近くの<プラザむみじか>(高尾駅南口徒歩3分/八王子市初沢町1299)で開催された、つながりまつりで読書に関する講演を行った。

イベント自体は11時から開催されていて、11時からすでに20名以上の方が会場に入って、午前中のプレゼンテーションを熱心に聴いていた。

13時から始まった僕の講演は、10名の方にそれぞれ5名ずつ二つの机についてもらい、あと立ち見でも10名程度の方に聴いてもらった。

講演のテーマは、『読書で地域が活性化できる!』。

果たして、本当に読書で地域が活性化できるのかどうか、聴く者皆ばかりか僕自身でさえも半信半疑のスタートであった・・





ここから約10分。あーだこーだ、読書に関する僕なりの話をし、

次に、具体的に読書を参加者みんなで実践してみましょう。

ということで、昨日は時間の関係上、小説ではなく、童謡の『ふるさと』の歌詞をみんなに配り、
ふるさとの歌詞に5分間向き合ってもらった。

静かに詞に向き合う。

ことが大切だ。

そして、5分の黙読が終わり、5名ずつのグループで自己紹介を行い、感想をシェア。

黙読のときからであったが、おもわず泪を流される方、感想をシェアするともらい泣きする方がいらした。

どのような想いが胸の内に去来したかは、話の詳細が聞こえなかったので、分からないが、
約10分くらいそれぞれの立場でそれぞれの<ふるさと考>を語り合ってもらった。

そうして簡単ではあるが、読書体験を地域の仲間で語り合うということの実際を体験してもらった。

読書会は、

読書という体験をとおして語られる、お互いの人生や考え方、地域のことなどについて、

世代を超え、性別を超え、他人の思いを知り、その土地の風土や歴史、生活を知り、

そしてそこから

自分自身の生き方につなげていく、

ことに目的がある。

何冊もの小説のタイトルを知っているかとか、小説のあらすじを知っていることなどももちろん読書体験の成果であり喜びであるかもしれないが、


読書会で得られる読書体験の効能は、小説の物語の世界を飛び越えて、人生の生きるヒントを得られるところにある。

読書を通して地域で人が集い語り合うことで、人生をよりよくしよう、地域をよりよくしようという気運が生まれ、仲間意識が強まり、そこから次はなにか行動に移すことが生まれるだろう。

講演の最後、『読書で地域は活性化すると思いましたか?』という問いに、

参加者のみんなが賛成の手を上げてくれた。(ちょっと強引?・・(笑))

■過去の読書会イベントの様子

大人の文学読書会in佐賀県(2011年11月)

◆◇◆◇文学読書会や読書啓発の講演依頼はお気軽に♪♪◆◇◆◇
オーナーにメッセージからお問い合わせください。


  

Posted by なみログ at 14:39 | 文学読書会

2012年02月19日

八王子高尾つながりまつり

読書の講演で、八王子高尾でのつながりまつりに呼ばれて来ました!!

13時から、僕の講演です。  

Posted by なみログ at 11:30 | 文学読書会

2012年02月17日

謎とき『カラマーゾフの兄弟』(江川卓)

謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)

謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)

著作者:江川 卓

出版社:新潮社

価 格:1,365 円





先週、久しぶりにドストエフスキーの世界に戻った。

カラマーゾフの兄弟を読み進める中で、スメルジャコフのことが気にかかって仕方がなかったが、江川氏もまたスメルジャコフが気になっていたことが判明し、かれを知ることがカラマーゾフの兄弟をさらに知ることにつながるのだろう、という推測は当たっていた。

果たして、スメルジャコフとは何者として描かれたのか?

そして実際に何者だったのか?

<実際に>という言い方はフィクションに向う言葉としてはふさわしくないが、作者の<企図>としていたスメルジャコフが、<実際に>物語の中で作者の<企図>を離れてしまうことはなかったか?
スメルジャコフのあの陰鬱な雰囲気。やけに論理的な会話。イワンに対する愛憎とも受け取れる忠誠と裏切り(?)

カラマーゾフの兄弟を深く知るための手がかりとして、スメルジャコフのことをもう少し考えてみたい。

カラマーゾフの血が流れているのは、ドミートリー(長兄)、イワン(二男)、アリョーシャ(三男)。三人の兄弟だけではない。スメルジャコフにもカラマーゾフの血が流れているわけであるから。




  

Posted by なみログ at 18:55 | ドストエフスキー

2012年02月11日

たかされ(本宮ひろ志)

実録たかされ 2 (BiNGO COMICS)

実録たかされ 2 (BiNGO COMICS)

著作者:本宮 ひろ志

出版社:文藝春秋

価 格:530 円




理由が分からないが、父親が江川卓さんのファンで、江川さんが投げるときはテレビの野球中継観ながら、父親があーだこーだうんちくを披露していた思い出がある。

江川が投げるときは、早く終わるから弁当が売れないとか、球が調子のいいときは、バットが下を空振りするとか、9回でも140キロなげるとか。

その後、うるぐすでスポーツキャスターしてるときや、テレビの野球解説者のときも、良く観てたので、よっぽど好きなのだろう。

ということもあってか、僕も江川さんは好きだが、あまり現役時代は覚えていない。高校時代がピークだったといわれるし、また、アメリカ浪人中にはメジャーリーグからも話があったというから、若いときの投球を見てみたかった。  

Posted by なみログ at 07:52

2012年02月06日

文学と情報知識

超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)

超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)

著作者:東野 圭吾

出版社:新潮社

価 格:460 円



東野圭吾氏の、本書。

タイトルおよび表紙から得られる印象と違い、いくつかの話は、とても考えさせるものだった。

とくに最後の、超読書機械殺人事件と、超長編小説殺人事件

この二つは深い。

超読書機械殺人事件は、まさに今のネットに転がる一部の批評文(あらすじ、要約文も)とそれを見る読者を予言したかのような内容。

ショヒョックスなる、書評作成機械を販売するセールスマン。そしてそれを購入する書評家たち。
※あらすじ抽出機能や、要約機能はショヒョックスの基本機能として装備されている。さらに書評まで機械がしてくれるという。

※こうやって書評ブログなるものを書いている僕自身も、素人とはいえ、東野圭吾氏が指摘する書評家たちの一人であるのか。

ひとたびショヒョックスに小説を読み込ませると、辛口やヨイショなど書評の味があり、それを選択するとその味の書評が出来上がるというもの。

ショヒョックスの次は、物語を作る創作用の機械が出てきて、そこには物語を実作する人間も、実際に本を読んで書評を書く人間もいなくなるという話。

おー怖。


それから、超長編小説殺人事件も、興味深い。中でも興味深いなあと思ったのは、小説の内容に、情報小説という、読者が詳しく知らない業界の話や裏話を盛り込み、情報をほしがっている読者向けに、小説を水増しするというもの。あまりその部分が長すぎると、小説の筋とはかけ離れているので間延びした形になるが、それでも読者がそのような情報小説部分を望んでいるというニーズもあるということ。

いやいや、これは凄い話だ。確かに、主に経済小説やミステリーはそのような情報小説的な要素が多く入ることの余地のあるジャンルだろうが、そういうことが一つのテクニックとして確立しているというのは。もちろんなんとなくは知っていたし、業界ネタを書くといいという新人賞獲得のノウハウ本もあったが。

文学と情報知識は、ある意味全く関係の無いことのように感じるが、どんどん文学が情報知識芸術化しているような印象を持つ。※そうなると果たして芸術なのかという問題も出てくる。小説=情報知識コンテンツという言い方が妥当か。

文学作品は、もちろん情報知識コンテンツではないのだけれどね。

たとえば、もしドラなんかも、情報小説だろう。(ということであれば映画は失敗すべくして失敗したということになる。)情報はインターネットやビジネス書で読めばいい話で、映画で見るものではないのだから。

そもそもあらすじや要約を知っていることと文学作品を読んだこととは何の関係性もあるはずはなく、ましてや、文学作品を読むということは、少なからず生き方や考え方になんらかしらの作用が働くものであり、ときに文学作品は読者の生き方により良いヒントを与えるものである。  

Posted by なみログ at 13:15 | 東野圭吾