2012年02月17日

謎とき『カラマーゾフの兄弟』(江川卓)

謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)

謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)

著作者:江川 卓

出版社:新潮社

価 格:1,365 円





先週、久しぶりにドストエフスキーの世界に戻った。

カラマーゾフの兄弟を読み進める中で、スメルジャコフのことが気にかかって仕方がなかったが、江川氏もまたスメルジャコフが気になっていたことが判明し、かれを知ることがカラマーゾフの兄弟をさらに知ることにつながるのだろう、という推測は当たっていた。

果たして、スメルジャコフとは何者として描かれたのか?

そして実際に何者だったのか?

<実際に>という言い方はフィクションに向う言葉としてはふさわしくないが、作者の<企図>としていたスメルジャコフが、<実際に>物語の中で作者の<企図>を離れてしまうことはなかったか?
スメルジャコフのあの陰鬱な雰囲気。やけに論理的な会話。イワンに対する愛憎とも受け取れる忠誠と裏切り(?)

カラマーゾフの兄弟を深く知るための手がかりとして、スメルジャコフのことをもう少し考えてみたい。

カラマーゾフの血が流れているのは、ドミートリー(長兄)、イワン(二男)、アリョーシャ(三男)。三人の兄弟だけではない。スメルジャコフにもカラマーゾフの血が流れているわけであるから。






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Posted by なみログ at 18:55 | ドストエフスキー