2011年10月25日
亀山郁夫氏講演会 感想
10月22日(土)14時から行われた、亀山郁夫氏の講演の感想を少し。
会場は日比谷の日本プレスセンタービル10階会議場。首相会見や党首討論も行われるという会議室ということだった。
ドストエフスキーの『悪霊』は、ピョートルという革命家というか扇動家が、五人組を組織し、国家転覆を図ろうとするが、組織を抜けたいという一人をつるし上げ、処刑までするというもの。また、ピョートルが信望するニコライという若い男が、もう一人の主人公である。
とまあ、こんな内容なのだが、
話を聞いて、なるほどな、と思ったのは、
【使嗾】(しそう):そそのかすの意
という言葉だった。
そもそも悪霊とは何か、悪霊的な行為とは何か、ということに対して、僕は明確な答えを持てぬまま読んでいたが、一つの解釈として、【使嗾】という行為が悪霊的ではないかという考え方は理解できる。
もちろん他人の命を奪う行為にまでいたるという結果からして、というとではあろう。
ピョートルの悪霊性は、<自らの手を汚さずに殺人を企てようとした>という行為一点に尽きるのかどうか。
それから、質問者から、素晴らしい質問が出た。
『スタヴローギン(=ニコライ)にも悪霊が入っていたのか。スタヴローギン自体が悪霊ではなかったか』
という質問だった。答えは明白なようで、案外難しい問いだなと思った。
『スタヴローギンは悪霊』そのものだと、僕自身は思う。かれか、もしくは遡るとステパン氏が、悪霊の萌芽する種を植えたのではないか、と思われる記述もあるし、そう読んでいる人も多いと思う。
それ自体が『ロシア的』だといってしまっては、あまりにも普遍化しすぎているし、そこに帰結してしまっては、僕自身逃げてしまうことになるので、逃げることなく考えてみたい。
会場は日比谷の日本プレスセンタービル10階会議場。首相会見や党首討論も行われるという会議室ということだった。
ドストエフスキーの『悪霊』は、ピョートルという革命家というか扇動家が、五人組を組織し、国家転覆を図ろうとするが、組織を抜けたいという一人をつるし上げ、処刑までするというもの。また、ピョートルが信望するニコライという若い男が、もう一人の主人公である。
とまあ、こんな内容なのだが、
話を聞いて、なるほどな、と思ったのは、
【使嗾】(しそう):そそのかすの意
という言葉だった。
そもそも悪霊とは何か、悪霊的な行為とは何か、ということに対して、僕は明確な答えを持てぬまま読んでいたが、一つの解釈として、【使嗾】という行為が悪霊的ではないかという考え方は理解できる。
もちろん他人の命を奪う行為にまでいたるという結果からして、というとではあろう。
ピョートルの悪霊性は、<自らの手を汚さずに殺人を企てようとした>という行為一点に尽きるのかどうか。
それから、質問者から、素晴らしい質問が出た。
『スタヴローギン(=ニコライ)にも悪霊が入っていたのか。スタヴローギン自体が悪霊ではなかったか』
という質問だった。答えは明白なようで、案外難しい問いだなと思った。
『スタヴローギンは悪霊』そのものだと、僕自身は思う。かれか、もしくは遡るとステパン氏が、悪霊の萌芽する種を植えたのではないか、と思われる記述もあるし、そう読んでいる人も多いと思う。
それ自体が『ロシア的』だといってしまっては、あまりにも普遍化しすぎているし、そこに帰結してしまっては、僕自身逃げてしまうことになるので、逃げることなく考えてみたい。
Posted by なみログ at 09:53 | ドストエフスキー