2011年10月05日
裸の王様 (開高健)

〜2008年のノートより〜
※ネタばれ注意!!!オチを書いています!!!
家のパソコンの横に本棚があり、開高健の裸の王様の文庫が目にとまった。
パラパラとしてみる。
赤ペンで書き込みが。
裸の王様と裸の王様の二重の仕掛け。
なんのことやらすぐには思い出せない。
あ、そうか、
裸の王様を題材に読書感想画を描かせたところ、ふんどしをしめたちょんまげ姿の裸の殿様を描いた少年が出てきたということと、
その少年の作品を見もせずにほかの作品を優秀賞にした審査員たちのふしあなを、見抜いたということ
二つの側面で、<裸の王様>がしかけられている。
オチがみごとに構成された小説だ。
でも、と思う。
小説にオチはかならず必要なのかと。
開高健のこの作品の完成度は相当高いと思う。
実際に読んでみてもらえばわかるが、実によく書かれている。
でも、と思う。
できすぎてやしないかと。
どこか道徳的であり、教科書的であり、解釈もわかるし、巧みだとは思うが、
それ以上の訴えてくるものがないような気がするのだ。
Posted by なみログ at 18:04 | 文学(日本)