2013年07月29日
角筈にて(浅田次郎) ふるさとには何の未練もなかった。
角筈にて
という浅田次郎氏の短編。
小説は、
ふるさとには何の未練もなかった。
という一文で終わる。
作者浅田次郎の気持ちの裏返しの言葉だと思うようにしている。
ふるさとには何の未練もなかった。
この一文を正確に再確認するために、昨日本を手元に置こうと改めて買った。
ふるさとには何の未練もなかった。
という浅田次郎氏の短編。
小説は、
ふるさとには何の未練もなかった。
という一文で終わる。
作者浅田次郎の気持ちの裏返しの言葉だと思うようにしている。
ふるさとには何の未練もなかった。
この一文を正確に再確認するために、昨日本を手元に置こうと改めて買った。
ふるさとには何の未練もなかった。
Posted by なみログ at 12:22
2013年06月21日
文学読書会の目的とは
本格的に文学読書会を始めて、もう9年になる。
<<文学読書会 当初の目的は?>>、
最初のきっかけは、小説を書かない人たちはどのように読み、どのような感想を抱くのか、
ということが知りたかったというのが本音のところだ。
というのも、自分自身が少しずつ小説を書くようになると、小説を読むときに一人の読み手という立場だけでなく、一人の書き手としての立場でも読んでいることに気づく。そして、この書く側、つまり書き手側の思考や視線というのが、一度そのような立場になってしまったら、読み手だけだったころの元の自分には戻れなくなるのだ。
しかし、小説を読む楽しみというのは、九割九分で純粋に読むだけの人のものであり、自分以外の書き手のために書かれた小説というのはない。
<<ぼくが考える、地方における新しい形の文学読書会の目的>>
読書会は、
読書という体験をとおして語られる、お互いの人生や考え方、地域のことなどについて、
世代を超え、性別を超え、他人の思いを知り、その土地の風土や歴史、生活を知り、
そしてそこから
自分自身の生き方につなげていく、
ことに目的がある。
何冊もの小説のタイトルを知っているかとか、小説のあらすじを知っていることなどももちろん読書体験の成果であり喜びであるかもしれないが、
読書会で得られる読書体験の効能は、小説の物語の世界を飛び越えて、人生の生きるヒントを得られるところにある。
読書を通して地域や団体で人が集い語り合うことで、人生をよりよくしよう、地域をよりよくしようという気運が生まれ、仲間意識が強まり、そこから次はなにか行動に移すことが生まれるだろう。
<<文学読書会 当初の目的は?>>、
最初のきっかけは、小説を書かない人たちはどのように読み、どのような感想を抱くのか、
ということが知りたかったというのが本音のところだ。
というのも、自分自身が少しずつ小説を書くようになると、小説を読むときに一人の読み手という立場だけでなく、一人の書き手としての立場でも読んでいることに気づく。そして、この書く側、つまり書き手側の思考や視線というのが、一度そのような立場になってしまったら、読み手だけだったころの元の自分には戻れなくなるのだ。
しかし、小説を読む楽しみというのは、九割九分で純粋に読むだけの人のものであり、自分以外の書き手のために書かれた小説というのはない。
<<ぼくが考える、地方における新しい形の文学読書会の目的>>
読書会は、
読書という体験をとおして語られる、お互いの人生や考え方、地域のことなどについて、
世代を超え、性別を超え、他人の思いを知り、その土地の風土や歴史、生活を知り、
そしてそこから
自分自身の生き方につなげていく、
ことに目的がある。
何冊もの小説のタイトルを知っているかとか、小説のあらすじを知っていることなどももちろん読書体験の成果であり喜びであるかもしれないが、
読書会で得られる読書体験の効能は、小説の物語の世界を飛び越えて、人生の生きるヒントを得られるところにある。
読書を通して地域や団体で人が集い語り合うことで、人生をよりよくしよう、地域をよりよくしようという気運が生まれ、仲間意識が強まり、そこから次はなにか行動に移すことが生まれるだろう。
2013年06月13日
十代に読んでいればと後悔した本
おはようございます。なみログです。
十代に読んでいればよかったと、二十代になって後悔した本をつらつらと並べておくと、
登山家の野口健氏が、本書を読んだのがきっかけで登山家になったのは有名な話。これから世界へ出てみたい若者にはとくにおすすめ。
村上龍が長崎県佐世保市の高校生三年生の頃を描いた自伝的小説(かな?)。校舎にバリケードを作り立て篭るなど、学生運動の影響下でなんでもありの青春小説。
大学のテニス部に所属する主人公とその仲間たち。恋愛や友情などを等身大で書いた青春小説。高校生におすすめの一冊。
東京で新聞配達所に住み込んでいる偽大学生の少年。地図に×を付け、手当たり次第に爆破のいたずら電話をかける。巻末の松本健一氏の解説文で、<若いこと>、<無名であること>、<貧乏であること>、が英雄になる人物の三要素だといわれる、と書かれている。※およそほとんどの若者にそのチャンスがあると思わせる。。
古い作家の部類に入るが、若い女性にはとても人気のあった作品。騙されたと思って読んでみてください。
太宰治はやっぱり凄い。時代背景が古いのですっと頭に入らないかもしれないが、人の気持ちの機微を見事に書いている。またユーモアや風刺のセンスも抜群。勘違いしている人も多いが、けっして暗いばかりの作家ではない。魚服記、猿ヶ島など掲載。
戦後の日本の男性作家は、大江健三郎の影響を受けた人が多いと思う。村上龍しかり、中上健次しかり。
ちょっと難しいかもしれないが。とりあえず。
十代に読んでいればよかったと、二十代になって後悔した本をつらつらと並べておくと、
![]() | 青春を山に賭けて (文春文庫)著作者:植村 直己 出版社:文藝春秋 価 格:580 円 |
登山家の野口健氏が、本書を読んだのがきっかけで登山家になったのは有名な話。これから世界へ出てみたい若者にはとくにおすすめ。
![]() | 69 sixty nine (文春文庫)著作者:村上 龍 出版社:文藝春秋 価 格:480 円 |
村上龍が長崎県佐世保市の高校生三年生の頃を描いた自伝的小説(かな?)。校舎にバリケードを作り立て篭るなど、学生運動の影響下でなんでもありの青春小説。
![]() | 青が散る〈下〉 (文春文庫)著作者:宮本 輝 出版社:文藝春秋 価 格:490 円 |
大学のテニス部に所属する主人公とその仲間たち。恋愛や友情などを等身大で書いた青春小説。高校生におすすめの一冊。
![]() | 十九歳の地図 (河出文庫 102B)著作者:中上 健次 出版社:河出書房新社 価 格:525 円 |
東京で新聞配達所に住み込んでいる偽大学生の少年。地図に×を付け、手当たり次第に爆破のいたずら電話をかける。巻末の松本健一氏の解説文で、<若いこと>、<無名であること>、<貧乏であること>、が英雄になる人物の三要素だといわれる、と書かれている。※およそほとんどの若者にそのチャンスがあると思わせる。。
![]() | TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)著作者:吉本 ばなな 出版社:中央公論社 価 格:480 円 |
古い作家の部類に入るが、若い女性にはとても人気のあった作品。騙されたと思って読んでみてください。
![]() | 晩年 (新潮文庫)著作者:太宰 治 出版社:新潮社 価 格:546 円 |
太宰治はやっぱり凄い。時代背景が古いのですっと頭に入らないかもしれないが、人の気持ちの機微を見事に書いている。またユーモアや風刺のセンスも抜群。勘違いしている人も多いが、けっして暗いばかりの作家ではない。魚服記、猿ヶ島など掲載。
![]() | 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)著作者:大江 健三郎 出版社:新潮社 価 格:460 円 |
戦後の日本の男性作家は、大江健三郎の影響を受けた人が多いと思う。村上龍しかり、中上健次しかり。
![]() | 異邦人 (新潮文庫)著作者:カミュ 出版社:新潮社 価 格:420 円 |
ちょっと難しいかもしれないが。とりあえず。
Posted by なみログ at 01:03
2013年06月12日
(備忘録)2011年5月22日の夢
2011年5月22日に見た夢。
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なにかの災害の後で、避難する私へだれかが預けた一通の封書。
どこにも投函できない封書を懐に抱き。被災地の町を歩き回る。
以前から顔なじみの駄菓子屋兼、郵便取り扱いのこじんまりとしたお店。
おばちゃんとおじさん、息子夫婦と子ども一人。それが家族構成だ。
すりガラスの扉を開けて、乱雑に散らかる店内をのぞくと、被災したおばちゃんが、
『郵便預かるよ』
という。
顔をみると、すすだらけ。
奥から、息子夫婦が、笑顔でこっちを見ている。
すすだらけの顔で。
傍らに子どもがじゃれつくように遊ぶ。
自分たちも被災しているというのに。
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なにかの災害の後で、避難する私へだれかが預けた一通の封書。
どこにも投函できない封書を懐に抱き。被災地の町を歩き回る。
以前から顔なじみの駄菓子屋兼、郵便取り扱いのこじんまりとしたお店。
おばちゃんとおじさん、息子夫婦と子ども一人。それが家族構成だ。
すりガラスの扉を開けて、乱雑に散らかる店内をのぞくと、被災したおばちゃんが、
『郵便預かるよ』
という。
顔をみると、すすだらけ。
奥から、息子夫婦が、笑顔でこっちを見ている。
すすだらけの顔で。
傍らに子どもがじゃれつくように遊ぶ。
自分たちも被災しているというのに。
Posted by なみログ at 23:48
2012年11月13日
ほんファンブログから引っ越してきました!
さがファンブロガーのみなさん。こんにちは。
なみログです。
なみログの別ブログ「独読日記」が、
ほんファンブログから引っ越してきました!
ほんファンブログ閉鎖は残念ですが、さがファンブログというホームグラウンドで、読書のこと、文学のことをぼちぼちと書いていきます。
なみログです。
なみログの別ブログ「独読日記」が、
ほんファンブログから引っ越してきました!
ほんファンブログ閉鎖は残念ですが、さがファンブログというホームグラウンドで、読書のこと、文学のことをぼちぼちと書いていきます。
Posted by なみログ at 17:52
2012年08月25日
フォークナー短編集
![]() | フォークナー短編集 (新潮文庫)著作者:フォークナー 出版社:新潮社 価 格:460 円 |
フォークナー短編集。
本棚の奥の方にある。
何回か読んでいるが、再び読み直そうか。
先日、大江健三郎がなにかに書いている文章で、フォークナーの小説の構想の過程を紹介する文章があった。モチーフを拡げていって小説世界に仕上げていく作業だ。
そして大事なのは視点だったような気がする。
作者としてどの視点に立つか。また、登場人物にどの視点を与え、どのような世界をその目を通して多くの人々に知らしめるのか。
2012年08月15日
文学読書会in博多の報告

12日に開催された大人の文学読書会。博多駅から徒歩で五分の大博多ビル12階の劇場の舞台を使って行なった。
参加者はスタッフの方二名を含めて13名。二つのテーブルに分かれて、感想をシェアしてもらいました。
ワークショップで取り上げた作品は、太宰治の『猿ヶ島』。
グループでのシェアは、白熱し、時間オーバーに。その後ランチミーティングと流れ込みました。
文学読書会は、やっぱり楽しいと実感!!参加者もとても楽しんでくれました!
さて、下記は僕の感想。
キーワード 巻き込む側と、巻き込まれる側。
参加者から、なみさんはどっちなのですか?と聞かれたが、巻き込みたいけど巻き込めないのでいらだっている、と答えた。巻き込まれたいとは思わないとも。
それから、これは感想は述べなかったが、
私という猿と、彼という猿。果たして私だけが自?由を求めていたのだろうか。いいや、彼のほうがよっぽど自由を求?めていたのである。二匹目の猿である彼の深層心理を理解すること?で、閉塞感の漂う現代の我々に、いかに生きるかの示唆を与えてく?れはしないか。
次回、参加してみたいとか、自分たちの地域や学校でも開催してほしいという方は、どうぞお気軽にコメントか、オーナーへメッセージをください!!
■過去のイベント:横浜の高校生向け文学読書会の様子はこちら⇒
■過去のイベント:伊万里読書会に参加されたヤマグチさんの感想はこちら⇒
■過去のイベント:伊万里読書会に参加された村上さんの感想はこちら⇒
2012年07月26日
【参加受付中】大人の文学読書会in博多
8月12日(日)10時〜 に開催する、大人の文学読書会のワークショップの案内です。
定員20名。
まだ席に余裕があるようです。

主催は、アートサポートふくおかさんです。
参加されたい方は、メールか、ファックスで参加申し込みしてください。
■申込方法:FAX またはメールで下記をご連絡ください。先着順で受け付けます。
?お名前 ?ご所属 ?(昼間、連絡がとれる)電話番号 ?メールアドレス(PCから送信します)
?参加の動機・現在関心を持っていること
■申込・問合せ先:アートサポートふくおか
FAX092-591-6517 メールoffice@as-fuk.com
定員20名。
まだ席に余裕があるようです。

主催は、アートサポートふくおかさんです。
参加されたい方は、メールか、ファックスで参加申し込みしてください。
■申込方法:FAX またはメールで下記をご連絡ください。先着順で受け付けます。
?お名前 ?ご所属 ?(昼間、連絡がとれる)電話番号 ?メールアドレス(PCから送信します)
?参加の動機・現在関心を持っていること
■申込・問合せ先:アートサポートふくおか
FAX092-591-6517 メールoffice@as-fuk.com
2012年07月01日
映画『臨場』
映画『臨場』を観に行く。
たまたま今日は1日ということで、ファーストデーでした。1000円!お得。
池袋のサンシャイン映画館には多くの観客が来ていました。若い人は図書館戦争が多かったかな・・・
さて、臨場。横山秀夫の原作だ。テレビドラマの映画版。
ネタバレになるので、内容は一切書かない。平田満さんの巡査役の演技は鉄板だった。あと高島政伸さんもよかったっす。
本はまだ読んでいなかったので、これから読んでみようと思う。
たまたま今日は1日ということで、ファーストデーでした。1000円!お得。
池袋のサンシャイン映画館には多くの観客が来ていました。若い人は図書館戦争が多かったかな・・・
さて、臨場。横山秀夫の原作だ。テレビドラマの映画版。
ネタバレになるので、内容は一切書かない。平田満さんの巡査役の演技は鉄板だった。あと高島政伸さんもよかったっす。
本はまだ読んでいなかったので、これから読んでみようと思う。
![]() | 臨場 (光文社文庫)著作者:横山 秀夫 出版社:光文社 価 格:620 円 |
2012年06月29日
大人の文学読書会in博多
8月12日(日)10時〜 に開催する、大人の文学読書会のワークショップの案内です。
定員20名。

主催は、アートサポートふくおかさんです。
参加されたい方は、メールか、ファックスで参加申し込みしてください。
■申込方法:FAX またはメールで下記をご連絡ください。先着順で受け付けます。
?お名前 ?ご所属 ?(昼間、連絡がとれる)電話番号 ?メールアドレス(PCから送信します)
?参加の動機・現在関心を持っていること
■申込・問合せ先:アートサポートふくおか
FAX092-591-6517 メールoffice@as-fuk.com
定員20名。

主催は、アートサポートふくおかさんです。
参加されたい方は、メールか、ファックスで参加申し込みしてください。
■申込方法:FAX またはメールで下記をご連絡ください。先着順で受け付けます。
?お名前 ?ご所属 ?(昼間、連絡がとれる)電話番号 ?メールアドレス(PCから送信します)
?参加の動機・現在関心を持っていること
■申込・問合せ先:アートサポートふくおか
FAX092-591-6517 メールoffice@as-fuk.com
2012年06月11日
おろしや国酔夢譚(井上 靖)
![]() | おろしや国酔夢譚 (徳間文庫)著作者:井上 靖 出版社:徳間書店 価 格:489 円 |
佐賀の実家に帰ったときに、本棚から掴んだ一冊。
井上靖といえば、『氷壁』くらいしか読んだ事がなかったが、一昨年に、文学読書会で短編を読むことがあり、『木乃伊』とか『補陀落渡海記』とか、少しずつ井上靖文学に触れるようになった。
以下、ウィキペディアのあらすじを引用すると、
天明2年(1782年)、伊勢を出発し、光太夫ら17人を乗せた船「神昌丸」は、江戸へ向かう途中に嵐に遭い、舵を失って漂流中に1人を失いながらも、8か月の漂流後に当時はロシア帝国の属領だったアムチトカ島に漂着した。この島で7人の仲間が次々と死んでいくが、残った9人は現地のロシア人の言葉やアムチトカ原住民の言葉を習得しながら帰国の道を模索する。漂着から4年後、現地のロシア人たちと協力し流木や壊れた船の古材を集めて船をつくり、カムチャッカ半島のニジネカムチャック(Nizhne-Kamchatsk)へ向かう。だがここで待っていたのは島とは比較にならない厳しい冬将軍で、さらに3人を失うのであった。
本作は、緒方拳、西田敏行の出演による映画化もされていて、いつか映画も観てみたいものだと思った。
2012年05月21日
北アルプスから来た刑事(梓林太郎)
![]() | 北アルプスから来た刑事 (光文社文庫)著作者:梓 林太郎 出版社:光文社 価 格:800 円 |
北アルプス来た刑事。
佐賀の実家に帰ったときに、家にあった本の中から一冊拝借してきた。
ストーリーはというと、常念岳で登山家の死体がみつかり、そのジャケットに靴の足跡がついていたというところから、登山靴のソールの型から持ち主を探し出すところからはじまり、また、登山家と同居していた女性が、今度は北海道で遺体で発見されるということから、連続殺人事件へ。
また、足跡の靴が特定されるのだが、その靴の持ち主は、靴を家の外壁に干していたら盗まれたといい、盗まれた二足のうち、一足は常念で死んだ登山家の背中に跡をつけ、もう一足は、なんと、別の殺人事件の家に残された侵入者の足跡と同じ型だった。
果たして犯人はだれか?そしてその動機は?
普段はほとんどミステリは読まないのだけれど、十分に楽しめた。特に凝った謎解きがあるわけではないが、次から次へと被害者の鑑が連環していく流れは、先に先にとページをめくる楽しみがあった。
それと、北アルプスの上高地から涸沢、穂高などの山の描写も楽しめて面白かった。
梓林太郎氏の本は初めて読んだけど、ほかのも何冊か読んでみようかな。
2012年05月09日
十代に読んでいればと後悔した本
おはようございます。なみログです。
十代に読んでいればよかったと、二十代になって後悔した本をつらつらと並べておくと、
登山家の野口健氏が、本書を読んだのがきっかけで登山家になったのは有名な話。これから世界へ出てみたい若者にはとくにおすすめ。
村上龍が長崎県佐世保市の高校生三年生の頃を描いた自伝的小説(かな?)。校舎にバリケードを作り立て篭るなど、学生運動の影響下でなんでもありの青春小説。
大学のテニス部に所属する主人公とその仲間たち。恋愛や友情などを等身大で書いた青春小説。高校生におすすめの一冊。
東京で新聞配達所に住み込んでいる偽大学生の少年。地図に×を付け、手当たり次第に爆破のいたずら電話をかける。巻末の松本健一氏の解説文で、<若いこと>、<無名であること>、<貧乏であること>、が英雄になる人物の三要素だといわれる、と書かれている。※およそほとんどの若者にそのチャンスがあると思わせる。。
古い作家の部類に入るが、若い女性にはとても人気のあった作品。騙されたと思って読んでみてください。
太宰治はやっぱり凄い。時代背景が古いのですっと頭に入らないかもしれないが、人の気持ちの機微を見事に書いている。またユーモアや風刺のセンスも抜群。勘違いしている人も多いが、けっして暗いばかりの作家ではない。魚服記、猿ヶ島など掲載。
戦後の日本の男性作家は、大江健三郎の影響を受けた人が多いと思う。村上龍しかり、中上健次しかり。
ちょっと難しいかもしれないが。とりあえず。
十代に読んでいればよかったと、二十代になって後悔した本をつらつらと並べておくと、
![]() | 青春を山に賭けて (文春文庫)著作者:植村 直己 出版社:文藝春秋 価 格:580 円 |
登山家の野口健氏が、本書を読んだのがきっかけで登山家になったのは有名な話。これから世界へ出てみたい若者にはとくにおすすめ。
![]() | 69 sixty nine (文春文庫)著作者:村上 龍 出版社:文藝春秋 価 格:480 円 |
村上龍が長崎県佐世保市の高校生三年生の頃を描いた自伝的小説(かな?)。校舎にバリケードを作り立て篭るなど、学生運動の影響下でなんでもありの青春小説。
![]() | 青が散る〈下〉 (文春文庫)著作者:宮本 輝 出版社:文藝春秋 価 格:490 円 |
大学のテニス部に所属する主人公とその仲間たち。恋愛や友情などを等身大で書いた青春小説。高校生におすすめの一冊。
![]() | 十九歳の地図 (河出文庫 102B)著作者:中上 健次 出版社:河出書房新社 価 格:525 円 |
東京で新聞配達所に住み込んでいる偽大学生の少年。地図に×を付け、手当たり次第に爆破のいたずら電話をかける。巻末の松本健一氏の解説文で、<若いこと>、<無名であること>、<貧乏であること>、が英雄になる人物の三要素だといわれる、と書かれている。※およそほとんどの若者にそのチャンスがあると思わせる。。
![]() | TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)著作者:吉本 ばなな 出版社:中央公論社 価 格:480 円 |
古い作家の部類に入るが、若い女性にはとても人気のあった作品。騙されたと思って読んでみてください。
![]() | 晩年 (新潮文庫)著作者:太宰 治 出版社:新潮社 価 格:546 円 |
太宰治はやっぱり凄い。時代背景が古いのですっと頭に入らないかもしれないが、人の気持ちの機微を見事に書いている。またユーモアや風刺のセンスも抜群。勘違いしている人も多いが、けっして暗いばかりの作家ではない。魚服記、猿ヶ島など掲載。
![]() | 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)著作者:大江 健三郎 出版社:新潮社 価 格:460 円 |
戦後の日本の男性作家は、大江健三郎の影響を受けた人が多いと思う。村上龍しかり、中上健次しかり。
![]() | 異邦人 (新潮文庫)著作者:カミュ 出版社:新潮社 価 格:420 円 |
ちょっと難しいかもしれないが。とりあえず。
Posted by なみログ at 07:27
2012年04月28日
文学読書会in横浜
ほんファンブログをご覧のみなさん、おはようございます。
なみログこと、川浪秀之です。
4月27日(金)横浜にある、KTC中央高等学院さんから呼ばれて、生徒向けに文学読書会を開催してきました。(時間は90分)
主な講義内容は
■自己紹介(講師の私と、参加生徒6名、先生2名)
■本・読書について語ろう
■読書会の実体験
の3点でした。
みんな真剣に読んでくれています。読んだ作品は、いろいろ考えたけど、水上勉氏の『太市』にしました。20分程度で読めることと、主な登場人物が3名と少ないこと。自分の経験におきかえて読み進めることができること、短い作品だけど感想がさまざまに出やすいこと。などが『太市』を取り上げた理由です。現代の高校生かつ都会の高校生には理解しずらいかなと思ったけど、太市の母親の献身的な姿は伝わったようです。
昨年から、中学生向け、高校生向けにも読書会を企画していて思うのは、文学作品の読書について、読み方をだれからも教わることなく(それが当たり前だったけど、家族や兄弟とのコミュニケーションで補えた部分もあった)大人になるよりも、一年でも早く、読書に関心を持ってもらい、どうせ読むなら、さらに深く読むということを教えることは、意義のあることだと実感している。
■過去の読書会イベントの様子
大人の文学読書会in八王子高尾(2012年2月)
大人の文学読書会in佐賀県(2011年11月)
◆◇◆◇文学読書会や読書啓発の講演依頼はお気軽に♪♪◆◇◆◇
右メニューにある、オーナーにメッセージからお問い合わせください。
なみログこと、川浪秀之です。
4月27日(金)横浜にある、KTC中央高等学院さんから呼ばれて、生徒向けに文学読書会を開催してきました。(時間は90分)
主な講義内容は
■自己紹介(講師の私と、参加生徒6名、先生2名)
■本・読書について語ろう
■読書会の実体験
の3点でした。
みんな真剣に読んでくれています。読んだ作品は、いろいろ考えたけど、水上勉氏の『太市』にしました。20分程度で読めることと、主な登場人物が3名と少ないこと。自分の経験におきかえて読み進めることができること、短い作品だけど感想がさまざまに出やすいこと。などが『太市』を取り上げた理由です。現代の高校生かつ都会の高校生には理解しずらいかなと思ったけど、太市の母親の献身的な姿は伝わったようです。
昨年から、中学生向け、高校生向けにも読書会を企画していて思うのは、文学作品の読書について、読み方をだれからも教わることなく(それが当たり前だったけど、家族や兄弟とのコミュニケーションで補えた部分もあった)大人になるよりも、一年でも早く、読書に関心を持ってもらい、どうせ読むなら、さらに深く読むということを教えることは、意義のあることだと実感している。
■過去の読書会イベントの様子
大人の文学読書会in八王子高尾(2012年2月)
大人の文学読書会in佐賀県(2011年11月)
◆◇◆◇文学読書会や読書啓発の講演依頼はお気軽に♪♪◆◇◆◇
右メニューにある、オーナーにメッセージからお問い合わせください。
2012年04月17日
麒麟の翼(映画)
ちょっと古い話題だが、
映画、麒麟の翼。
中井貴一さんが出演しているとは知らずに、観にいった。
いい演技してた。
阿部寛さんも、なんだか、東野圭吾さんみたいで。
実際の東野圭吾氏はもっとユーモアがあるんだろうけど、なんか、東野圭吾氏の奥に潜む信条が、そのまま阿部寛の演技になっているような、そんな感じがした。勝手な感想ではある。
映画、麒麟の翼。
中井貴一さんが出演しているとは知らずに、観にいった。
いい演技してた。
阿部寛さんも、なんだか、東野圭吾さんみたいで。
実際の東野圭吾氏はもっとユーモアがあるんだろうけど、なんか、東野圭吾氏の奥に潜む信条が、そのまま阿部寛の演技になっているような、そんな感じがした。勝手な感想ではある。
![]() | 麒麟の翼 (特別書き下ろし)著作者:東野 圭吾 出版社:講談社 価 格:1,680 円 |
2012年04月10日
星々の悲しみ(宮本輝)
![]() | 星々の悲しみ (文春文庫)著作者:宮本 輝 出版社:文藝春秋 価 格:520 円 |
先日、久しぶりに、星々の悲しみの文庫を手に取った。
宮本輝氏の短編はいろいろあるけど、どれか一つを選ぶとなると、星々の悲しみかなあ。
いや、幻の光かなあ。
まだ読んだことのない方は読んでみてください。
Posted by なみログ at 18:09
2012年04月05日
海峡の光(辻仁成)
![]() | 海峡の光 (新潮文庫)著作者:辻 仁成 出版社:新潮社 価 格:420 円 |
海峡の光。
芥川賞受賞作品ということもあり、数年前に読書会で取り上げたが、そのときどのような議論になったのかおもいだせないでいた。
改めて昨日、読み直した。
想像していたより、読ませる。
内容が、である。
絶えず緊張感のある心理描写があり、思わず読み進めてしまう。
二人の関係はどうなるのか?花井はどうなるのか?と。
函館や、津軽海峡、船の訓練の描写も素晴らしく、読みごたえのある作品だった。
軽いタッチのセンスのいい作品が好きな方には、重いので、耐えきれないかもしれない。
2012年04月03日
企業研修向け文学読書会について
皆さんこんにちは。なみログです。
この度、企業研修向け文学読書会の企画を立案しました。
このような文学を題材にする企業研修の企画は多くはないと思います。
営利組織である企業運営、組織運営、人材育成に、文学が果たす役割があるかどうかという疑問が湧きます。
しかし、文学読書会を実際に行っていて感じたことは、人間関係の機微を理解しようとする心が、意外に企業人としても、大事なことなのではないかということでした。
概要は下記のとおりです。
■時間 2時間(1時間半から2時間)
■定員 10名まで (10名以上の場合は、2グループ以上に分ける)
■会の進行役 川浪秀之
■目的
企業研修用の読書会は、文学作品のなかの登場人物の立場になって、それぞれが自分だったらどう感じるか、どう行動するか、逆の立場だったらどう感じるか、どう行動するかなどを、模擬体験し、上司や部下の立場や、役職や年齢、性別を超えたり、違えたりして考えることで、よりよい人間関係のあり方や、会社組織のあり方、などを考えていきます。
〜なぜいま文学読書会なのか〜
読書の醍醐味は、主人公のさまざまな課題に直面する生き方、克服の姿をとおして疑似体験をするということ。疑似体験を、自らの生き方に活かしていく。また、様々な立場の登場人物を、それぞれの立場になって読むことで、他者の幸せを喜び、他社の痛みを知る心が湧く。それは文学の本来持っている力のひとつである。
また複数のメンバーで読書会を行うことで、私以外の他者はどう読むのか、どのような感想を抱いたのかを知り、他者の感想や、経験を、私の読書体験、さらには読後体験に活かしていくことができる。
読書体験は、読者自らのこれまでの体験や生活環境、時代背景を背負って読まれる。その背景にあるものも、読書体験としてシェアすることで、他者の生き方や生活環境、時代を知ることにつながり、他者の生き方からも自らの生き方へのヒントを得ることができる。
■読書会で扱う主な作家(作品は短編)
企業研修用の題材では、吉村昭、浅田次郎、横山秀夫、松本清張、太宰治・・を考えています。
企業研修向け文学読書会に関心を持たれた方、詳しい話しを聞きたい方は、お気軽にオーナーへメッセージから連絡ください。
また、このような文学を通じた社会や地域の方とのコミュニケーション活動に興味を持たれた方で、情報交換を希望される方がいらしたら、お気軽にご連絡ください。
この度、企業研修向け文学読書会の企画を立案しました。
このような文学を題材にする企業研修の企画は多くはないと思います。
営利組織である企業運営、組織運営、人材育成に、文学が果たす役割があるかどうかという疑問が湧きます。
しかし、文学読書会を実際に行っていて感じたことは、人間関係の機微を理解しようとする心が、意外に企業人としても、大事なことなのではないかということでした。
概要は下記のとおりです。
■時間 2時間(1時間半から2時間)
■定員 10名まで (10名以上の場合は、2グループ以上に分ける)
■会の進行役 川浪秀之
■目的
企業研修用の読書会は、文学作品のなかの登場人物の立場になって、それぞれが自分だったらどう感じるか、どう行動するか、逆の立場だったらどう感じるか、どう行動するかなどを、模擬体験し、上司や部下の立場や、役職や年齢、性別を超えたり、違えたりして考えることで、よりよい人間関係のあり方や、会社組織のあり方、などを考えていきます。
〜なぜいま文学読書会なのか〜
読書の醍醐味は、主人公のさまざまな課題に直面する生き方、克服の姿をとおして疑似体験をするということ。疑似体験を、自らの生き方に活かしていく。また、様々な立場の登場人物を、それぞれの立場になって読むことで、他者の幸せを喜び、他社の痛みを知る心が湧く。それは文学の本来持っている力のひとつである。
また複数のメンバーで読書会を行うことで、私以外の他者はどう読むのか、どのような感想を抱いたのかを知り、他者の感想や、経験を、私の読書体験、さらには読後体験に活かしていくことができる。
読書体験は、読者自らのこれまでの体験や生活環境、時代背景を背負って読まれる。その背景にあるものも、読書体験としてシェアすることで、他者の生き方や生活環境、時代を知ることにつながり、他者の生き方からも自らの生き方へのヒントを得ることができる。
■読書会で扱う主な作家(作品は短編)
企業研修用の題材では、吉村昭、浅田次郎、横山秀夫、松本清張、太宰治・・を考えています。
企業研修向け文学読書会に関心を持たれた方、詳しい話しを聞きたい方は、お気軽にオーナーへメッセージから連絡ください。
また、このような文学を通じた社会や地域の方とのコミュニケーション活動に興味を持たれた方で、情報交換を希望される方がいらしたら、お気軽にご連絡ください。
2012年03月23日
猿ヶ島(太宰治)
晩年という作品集にある、猿ヶ島。
解説には、これは文学者の宿命に対する認識であり、文壇に対する風刺である。と書かれているけど、そういう風に読む者は果たしているのか、と思う。
白人世界から見た、日本人なのではないかと思うし、ロンドン博物館附属動物園から逃げ出した二匹の猿は、自由と独立を求めて逃げたと思うのだが。
短く、引き締まった物語の中に込められた、あるべき人間像の問い掛けは、鋭い。
それから、下記は8月12日の読書会後の追記だが、
私という猿と、彼という猿。果たして私だけが自?由を求めていたのだろうか。いいや、彼のほうがよっぽど自由を求?めていたのである。二匹目の猿である彼の深層心理を理解すること?で、閉塞感の漂う現代の我々に、いかに生きるかの示唆を与えてく?れはしないか。
末尾の、『しかも、一匹ではなかった。二匹である。』 という文章、二匹というのが強調されていると読むのが普通だろうが、あえて、二匹目の彼、を強調したと読めばどうだろうか。
解説には、これは文学者の宿命に対する認識であり、文壇に対する風刺である。と書かれているけど、そういう風に読む者は果たしているのか、と思う。
白人世界から見た、日本人なのではないかと思うし、ロンドン博物館附属動物園から逃げ出した二匹の猿は、自由と独立を求めて逃げたと思うのだが。
短く、引き締まった物語の中に込められた、あるべき人間像の問い掛けは、鋭い。
それから、下記は8月12日の読書会後の追記だが、
私という猿と、彼という猿。果たして私だけが自?由を求めていたのだろうか。いいや、彼のほうがよっぽど自由を求?めていたのである。二匹目の猿である彼の深層心理を理解すること?で、閉塞感の漂う現代の我々に、いかに生きるかの示唆を与えてく?れはしないか。
末尾の、『しかも、一匹ではなかった。二匹である。』 という文章、二匹というのが強調されていると読むのが普通だろうが、あえて、二匹目の彼、を強調したと読めばどうだろうか。

2012年03月15日
三笠山(車谷長吉)
![]() | 忌中 (文春文庫)著作者:車谷 長吉 出版社:文藝春秋 価 格:540 円 |
『忌中』という、文庫に入っている、三笠山という短編については、何度となく感想を述べてきたが、
改めて考えるに、あの物語、子供たち二人を殺し、夫婦は三笠山で車のなかで排気ガスによる心中をするという、
陰惨な話。
であるが、ではなぜ、彼らがあのような境遇に追い詰められていったか、もしくは、思い詰めたのか、という問いに対する答えを、明確にいいのべることは出来るだろうか?
車谷長吉は、作者の視点から文中にその答えともとれることを言葉で表している。
気になった読者はいるだるうか?もちろん作者の車谷長吉が、本当にその言葉に意味を込めたかどうかは分からない。
しかし、どんな小説でも、作者の意図にかかわらず読み手に読まれ、解釈される。
三笠山の小説を読み、このような不条理な陰惨な結末に、人間を追いやったもの、 それを、文中からさがしだすと、
『欲』
という言葉で、指摘されていた。(油断という言葉がかかれていると勘違いをしていました。)
父親の突然の死で大学進学をあきらめ、家業のサッシ屋を継ぎ、景気が拡大していて、結婚もし子ども二人できて幸せな生活を営んでいたのだが、あぶく景気が弾け、
ズルッズルッ、と経営が傾きはしめ、取引先のからの売掛金の回収ができず、借金を抱え、金策に神経をすり減らす毎日。
その元が、彼の『欲』からであったと書いてある 。
しかし、ここにかかれている欲は、決して、『欲』だのといえるものではなく、ささやかな『欲』だ。
もちろん、作者は『欲』が、かれの家族を一家心中まで追いやった、本当の原因であるといっているわけではない。
いつのまにか、この世の中で生き抜いていくことが自己責任という言葉で責任を個人に転化され、政治と世界競争のただ中に、庶民の経済生活もその影響下から逃れることもできず、うまく乗りきれなければ、『欲』だと言われるか、『欲』だったと、自ら思い悩むような世相。
一家心中まで追い詰められた、『三笠山』という小説のことを考えるたび、あぶく景気にちょっとのっただけのかれの人生と妻と子ども二人の命が、引き換えにされたかと思うと、
断罪されるべきは、このなんともいえない生きにくい世の中の方ではなかったかと思うし、車谷長吉が言いたかったのは、そういう世相への痛烈な批判ではなかったか、と思うのだ。
※以上はぼくの読み方だ。三笠山の小説を夫婦の純愛小説として読んだ人も多いだろうとも思う。